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素材が揃わねえよ!…とクライアントさんに怒るのは絶対に間違っている

2016/03/07 [Mon]

ホームページの素材について・その1
あらゆるデータの加工前のものを保管しておきましょう

「素材はどんなものがご用意いただけますか?」は、
WEB制作の序盤において、
クライアントさんと比較的よく交わされる会話です。

「今のホームページに上がってるだけ」と断言される方もいれば、
「総務に聞いてみます」の一週間後、大量のファイルが届くことも、

ホコリをかぶったパンフレットを一冊出してこられ、
「これで何とか頼むよ」と言われることもあります。

ホームページの素材について・その2
デジタル写真は巨大なままでとっておく

しかし
「現行のホームページにアップされているデータが全て」
と言われましても、

200×150ピクセル、推定圧縮率75%の写真のような
ナローバンド時代の遺物では、
現在のリニューアルへの流用にはおそらく耐えません。

正直、ナローバンド時代のコンパクトデジカメで撮ったものなら、
仮にフルサイズの写真があったとしても、
画質的に耐えられるかどうかは微妙ではありますが、
「まだしも」やりようはあったはず。

当時の制作会社を責めてはいけませんが、
現在の制作会社である私たちとしては、
カメラマンの権利関係がクリアできたなら、
ベースとなる写真をディスクに焼いてお渡しするのが、
後の世の人たちへの優しさかも知れませんね。

ホームページの素材について・その3
研修旅行や飲み会の写真も何かに使える

中小の会社さんの採用ページなどでは、
わりと今でも見かける研修旅行や飲み会の写真。

あまりスタイリッシュではありませんが、
私だけの格言に「困ったときの和気藹々」というものがあります。
(兄弟格言として「困ったときのセンチュリーゴシック」というのも作ってみました)。

会社のイメージを損なうよっぽどの写真でない限り、
研修旅行や飲み会の写真は、

  • やたら表情のない写真ばかり並んだときのハズシ
  • ブログやフェイスブックの記事の埋め合わせ

などでまだまだ使い出があります。
「こんなのもありますけど使います?」と勧められた時は、
わるびれずに頂いておきましょう。

ホームページの素材について・その4
過去に使ったテキストはディスク化してとっておく

あらゆるテキストは、会社の資産です。

今は古くさく見えるの文書(ホームページ)でも、
十年後、二十年後、社史を作るといった場面や、
来し方行く末を考える場面において、必ず資料になります。

ですので、現行のホームページも必ずバックアップをとって、
ディスク化しておきましょう。

後世の歴史家のために(byヤン・ウェンリー)

私は歴史好きなので、
「この時代の史料は○○陥落の際に焼けて現存しない」と言われると、
「なんてことしてくれたんだ~!」と憤ってしまうのですが、
「百年後も残る会社に」を標榜するのなら、後の世の後輩たちのために、
こういったデータを残しておくのも大切だと考えています。

ちなみに、少し前のデータでしたら
インターネットアーカイブスを使うことで覗き見ることができます。
ロストさせてしまったデータがあるなら、
ここで救い出しておくのも手です。

ホームページの素材について・その5
パンフほか紙媒体を洗い出す

私たちヒサクリエでは、ホームページの他に、
パンフレットの制作なども承っているのですが、
会社の資産として保存するなら、ホームページだけでなく、
紙媒体のデータもディスク化しておきましょう。

これは、後々ホームページの制作にも役立ちます。

なぜなら、
「2005年に作ったホームページを2016年に作り直すことになったが、
 2013年に作った紙パンフレットの文章を流用したい」
といった対応に使うことができるからです。

ということは、イコール、クライアントさんの資料作成の負担を軽減し、
制作会社の工数削減に繋がる、ひいては制作費削減に繋がる、
ということでもあるのですね。

ホームページの素材について・その6
経営理念やいわゆる十大訓示など、社風を表す資料をまとめる

私が今までお世話になってきた会社では、
この手の資料は共有サーバの「01」で始まるフォルダの中に入っていました。
皆さんの会社ではどうでしょう。

これが何に役立つかというと、WEBディレクター目線としては
「お取引先のそのぐらいは理解しておこう」
という戒め、クライアントさんへのリスペクトを持つのがひとつ。

もうひとつ、デザイナー目線としては、
WEB担当者さんがノリノリのどーんといってみよう型の方で、
その方に合わせてデザインを進めていても、
別の目的で、いざその会社に潜入 (?) してみると、
「あれー、あのオチャラケたデザインじゃ通らないな…」
と想像できる場面がある。

WEB担当者と役員の考え方に齟齬がある場合

さらにもうひとつ、ライティングを担当する目線としては、
クライアントさんの、WEB担当者の「実際的な自社紹介」と、
社長さんの「こうありたい自社紹介」に乖離がある場合、
この資料に目を通すことで、役員差し戻しを防げるという利点があります。

どういうことかというと、仮にWEB担当者さんが、
「うちは個人主義が徹底していて自分の仕事が終わったらスパッと帰れます」
と実際の自社の魅力を認識していたとしても、

社長さんとしては
「お互いに助け合い、みんなで解決に向かって進む」
という理念を打ち出し、
なんなら来年度からはそのように体制を見直したい、
などという場合だってありうるわけです。

クライアントさんを多面的・多角的に見るためにも、
外に向けて打ち出されている資料には全て目を通すようにしましょう。

ホームページの素材について・その7
社史を簡単にまとめてみる・ない資料はこの機会に作ってしまおう

日本史には「空白の4世紀」という言葉があります。

もともと日本には文字がなく、
古代の出来事は中国の歴史書頼りの部分がありますので、
その中国が荒れていると、何も書き残されぬまま、
1世紀ぐらい簡単にすぎてしまうわけです。

中小企業の社史にも似たような現象があります。
「3期目ぐらいまではがむしゃらだったからなあ。
 当時のメンバーはもう社長の僕と専務ぐらいしか残っていないね」
というケースが、往々にしてあるわけです。

この当時、主にどんな案件をこなし、
どんなエポックメイクがあって生き残ることができたのか、
記録を残しておくことは、
後の総務や広報の負担を減らすことに繋がります。

ちょっとだけでも毎年記録に残しておこう

以前私がご案内したクライアントさんの中には、
ご丁寧にビフォア(移転前のガランとしたオフィス)と、
アフター(机を運び込んだ後)の写真を添えて、
沿革情報を送ってくれた方がいました。

多忙の中、そんなことに時間は割けないという向きもありましょうが、
せめて一年一行でもいいので記録をつけてみてはいかがでしょう。

オススメは、経営者さんがボイスレコーダーに
設立当時の理想から年々の出来事を吹き込んでおく方法。

私のような資料(史料)を求めるWEBディレクターが、
何らかの方法で作品に仕上げてくれる日がくるかも知れません。

よろしければ、こちらの記事もぜひ。
【データが無いなら代筆するのがプロ】
【お客様3タイプ別データやりとり術】
【ボイスレコーダーの効率的なテープ起こし方法】

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代表・デザイナー
小川 知久
Tomohisa Ogawa
中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。
  • ディレクション
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  • コーディング
  • 企画
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  • 運営・分析
  • 遊び心

デザイン事務所ヒサクリエ

無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。

アパレル系通販サイトの運営を勤めた後、広告代理店でウェブディレクションに携わる。ウェブや紙媒体を軸にした企画運営から、デザイン、コーディングに到るまでを一手に担う。

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