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「人口」から考えればマーケティングが変わる!絶対へぇ~と言わせる人口雑学

2016/07/19 [Tue]

人口が全てではない。——が。マーケットに携わるWEBディレクターなら意識しておきたい人口のこと

私は、地方や海外の報道に接するとき、
その都市や国の人口を意識するようにしています。

きっかけは、調べ物をしていて
「縄文人の人口は最盛期でも26万人」と知ったことから。

古代ローマ帝国の人口6000万人、縄文人たちの人口…26万人?!

26万人というと、どのぐらいでしょうか。

春日部の人口よりちょっと多いぐらいでしょうか。
越谷よりは断然すくない。埼玉スケール(世界標準)でいうとね。

しかし、そんなちっちゃいちっちゃい縄文文明が、
後の日本のアーキタイプとなっている。これって凄いことです。

無謀なるかな村おこし・町おこし!の挑戦スピリッツこそが大切であり気高い

そして、現代の村おこし・町おこしの尊さも、
ここにあるのではないかと考えています。

「地方から発信する」ことが素晴らしいのではなく、「人口1万人の地方都市の名を、圧倒的多数である一億国民に知らしめようと努力していること」が素晴らしいのです。

嬬恋村なんて1万人いないんですよ?
でも何故かみんな名前を知ってる。
なんなら東京のマイナーな区よりもみんな知ってる。

世の中のマーケターさんとは少しだけ視点を変えて

おそらく、世間一般のマーケティングに詳しい方は、
GDPや年収分布といった経済にまつわる値であったり、
東京(または日本)からの物理的な距離で
測っていたりするのでしょうが、
そんなわけで私の場合はまず人口から考えることにしています。

たしかに、経済力を基準に考えるならば、
「その国はどれぐらい潜在的顧客たりうるか」が分かりますし、
自社からの距離で考えれば、
「進出にどのぐらいの物理的ハードルがあるか」が分かります。

しかし、私は「意外な気付きを与えてくれる」という理由で、
まずは人口から考えるようにしているのです。

では、人口で考えれば何がわかるのか。
今回はそれを見ていきましょう。

海外の場合、人口データは「世界情勢」と組み合わせて使う

海外の場合、人口1億人の国よりも500万人の国のほうが豊かで、
ECサイトなら通販事業を展開する際にうま味がある、
ということが往々にしてあります。

そして、対応は世界情勢(その国をとりまく経済状況)を見ながら、
といった対応になりがちです。

以前在籍していたアパレル系のECサイトで、
英語圏への通販サイトの構築を担当したことがありましたが、
いま(2016年現在)新規で立ち上げるとしたら、
きっと中国語対応も並行して進めたでしょう。

しかし、だからといって「中国語対応までにいろいろ含めて1年ぐらい掛かりそう」となったなら「なんか中国経済いろいろ言われてるから、そんなに掛かるなら別の改修に予算使おうか」となる可能性だってあります。

中小企業サイト規模での海外対応はうつろいやすく、
敷居も高いのですね。

日本の場合、人口データは「年齢分布」と組み合わせて使う

ところが、国内の場合はそれほど不安定ではなく、
地域でみた際の極端に大きな格差もありません。

確かに都心は物価も高くなりますが、
「えっ?宇都宮なら1000円で10日も暮らせるの?」
という驚愕の実態はありません。
あったら私はそこに越しています。

ECサイトの管理をしている担当者の方なら、
発送先が47都道府県まんべんなく散らばっているのは、
よくご存知のことでしょう。
※沖縄に使い捨てカイロの発送が少ない、とかは言いっこなしで。

では、人口のデータがどのように使えるか、というと、
これは年齢分布と併せて使えます。

クライアントさんの貴重な広告費をドブに捨てないために

仮に人口50万人の街で、
充分に広告のターゲティングができると踏んだとしても、
高齢者の比率が高い街でキックスケーターは売れません。

逆に、おばあちゃんがよく信号待ちで腰掛けているアレは、
飛ぶように売れるかも知れません。

もっと別のことにオカネ使いましょうよう

この人口で考える見方は、
「切り捨てる合理的な理由」に使うべきです。
これは決して後ろ向きなことではありません。

WEB屋としてつい「フェイスブック広告ならここまでリーチできます」と言ってしまいそうになりますが、いくら自社に入らないオカネとはいえ、クライアントさんから預かった大切なオカネですから。

新聞の折り込みに使ったほうがよいケース、
タウン誌に広告を打ったほうがよいケース、
むしろ当初のターゲットをタテにヨコに拡げて売るべきケース、
いろいろ可能性を考えた上で、提案をしていきたいものです。

閑話休題。人口で考えるくせがつくと、こんな目線が手に入る

2014年のスコットランド独立騒動は記憶に新しいところですが、
評論家は「経済力から考えてムリがある」と口々に言っていて、
その通り、自重した住民投票の結果が出ました。

スコットランドの人口を知ってから独立の可能性を考える

が、このニュースに触れたとき、
かねてより人口でモノを考えるくせのある私は、
「人口比からみてムリがある」と考えたものです。

私たち日本人が俗に「イギリス人」と呼ぶ人たちの人口は約6300万人。
うち、イングランドとウェールズと北アイルランドの人口を足した数が5800万人、スコットランド人は500万人です。

どうですか?
あのニュースを耳にした時、皆さん何となく「ブリテン島の北半分と南半分は人口も同じぐらい、関東と関西が割れるようなもの」と思われませんでしたか?

もちろん、固有の文化や経済力や天然資源、
地政学的な立ち位置、民族自決の権利など、
独立問題はトータルで考えなければいけませんが、

これを日本に置き換えるなら、
日本の人口約1億2000万人のうち、
仮に東北地方の900万人が独立運動を起こしたら、
と例えることができるでしょうか。
吉里吉里人ですよ!

東ドイツや北朝鮮の建国をソ連が後押ししたように、
よほど強力なバックアップがない限り、
「冷静なスコットランド人なら一呼吸おいて考えるよね」
などと、申し訳ない話、私は思ったものです。

ちなみにイギリスの人口は約6300万人で、
EU全体の人口は約5億人です。抜けられると結構いたいですよね。

意外とやるじゃん東京!人口でみるといろいろな発想が出てくる

同様に、かねてより人口で見るくせをつけておくと、1000万都市東京の巨大さと、中国なら地方都市のレベルでその人口に達する、という中華スケールの巨大さに軽くビビったり、その一方、都市圏人口でみた場合、実は東京エリアが世界最強クラスだったり、気付きも増えます。

「北欧の福祉は世界最高レベルだぜ」といっても、
「そりゃあ横浜と川崎を足したぐらいの人口ならまかなえるよな」
という目線であったりと、いろいろな発想が出てくるものです。

皆さんも、人口のほかに
「私はこれでターゲティングの可否を決める」
という確固たる基準を決めておくと、
プレゼンの際に説得力が増すことでしょう。

おまけ・よくわかる人口比一覧

日本の人口を地方別で見てみよう

本記事の最後に、
日本の地方別に人口を出してみました。

社会科の授業ではないので、細かい数字は丸めて、
覚えやすくしています。

  • 首都圏 約3700万人
  • 京阪神 約1860万人
  • 名古屋圏 約910万人
  • 北海道 約540万人
  • 東北地方 約900万人
  • 北陸地方 約530万人
  • 中国地方 約740万人
  • 四国地方 約380万人
  • 九州地方 約1300万人

詳しい人が見たら、
抽出が若干恣意的に感じられるかも知れませんが、
今回は細かな数字や厳密な行政区分を覚えることより、
「意外な気付き」を得ることを大事と考えています。

東京では九州人が増えている…?違うがな

突然ですが、あなたの会社、
案外「九州の人」多くないですか?

宇都宮から東京に出てきて感じたのは、
同僚でもお客さんでも、
意外と「出身九州なんです」という人が多いということ。

ミョ~にヘンだな~と思っていたのですが、
上の一覧を見て頂くとわかる通り、
人口として九州人は多いので、
社内出現率が高くなるのも当然だったりするのです。

こういうのって、
血液型について調べるより楽しいと思うんだけどなあ。

だって、日本の人口が約1億3000万人として、
その1/10が九州人なんですよ。

1/10といえば、日本人のAB型がちょうどこのぐらいですからね。

日本の人口をさらに細かく見てみよう

では、次は県や市区町村で見ていきましょう。

  • 東京23区 約920万人
  • 神奈川県 約910万人
  • 埼玉県 約730万人
  • 横浜市 約370万人
  • 福岡県 約510万人
  • 札幌市 約190万人
  • 仙台市 約110万人
  • 鳥取県 約60万人
  • 宇都宮市 約50万人

宇都宮は、私の出身地なので入れました(笑)。

恐怖!首都圏といっても南関東のことじゃないか

「東京23区+神奈川県+埼玉県」のデータは、
「首都圏 約3700万人」を知ったあとで見て頂くと、
ナルホド感が増すかも知れません。

ちなみに北関東の3県は「約200・200・300万人」ぐらい。
いかに南関東に人がギューッと住んでいるかが、
分かろうというものです。

北と南にあるという、大きな島の大きな都市

「福岡県 約510万人」や
「札幌市 約190万人」の楽しみ方も同じく。

「九州地方 約1300万人」と
「北海道 約510万人」を知ったあとなら、
この数字の面白さに気付いて頂けるはず。

北海道というあんなデッカイ島で、
約半分が札幌という一都市に住んでいるという。

ちなみに、くくりを「札幌市」ではなく
「札幌大都市圏」にまで拡げると、
構成する人口は約260万人に膨れあがります。

福岡と札幌出身の有名アーティストが目立つのも、
「島の中の最大都市」という共通点と無縁ではないのでは、
なんて結びつけて考えてしまいます。

人口の少ない都市を軽視しろというのではありません

この知識欲を満たす遊びはなかなか楽しいのですが、
当然ですが、人口の少ない都市を軽視しろというのではありません。

確かに、一票の格差問題を述べるまでもなく、
不条理を感じることもあります。
甲子園の県代表とか。

ただ、鳥取スケールで合わせていくと、
200校ぐらい甲子園で戦うことになると何かで読んだので、
これはこのままでいいのかも知れません。
阪神が死のロードから帰ってこれなくなっちゃうので。

なので、サッカーのワールドカップについて、
私がかねがね不思議に思っていたことにも目をつむります。

※ 私の疑問 → 何で日本の相手はいつもカタールとバーレーンばっかりなのか。仮にこのメンツで勝ったとしても、南米と欧州で最強のやつを撃破しないと世界一にならないのではないかという疑問。

話が逸れました。
ていうかソレ、人口あんまり関係ねえし!

人口がどうあれ、
それでも自治体は自治体、土地は土地ですからね。
人口は減ったり増えたりしますが、
土地は埋め立てない限り増えないということは、
忘れずにいたいものです。

海外の国・共同体別に人口を見てみよう

では最後に、海外の人口を見てみましょう。
日本の人口は1億2800万人ということを踏まえてご覧ください。
こちらも細かい数字は丸めています。

  • アメリカ 約3億1000万人
  • 中国 約13億5000万人
  • ロシア 約1億4000万人
  • ※ 崩壊時のソ連 約2億9000万人
  • EU加盟国 約5億人
  • インド 約12億2000万人
  • アフリカ大陸 約10億人
  • 東南アジア連合 約6億2000万人
  • ベトナム 約9200万人
  • エジプト 約8200万人
同じサイズの国が並んでいても、人口は全然違う

エジプトはアフリカ大陸に占める割合を、
ベトナムは東南アジアに占める割合を見ると、
周辺国がこの二カ国を地味に怖がる理由がわかります。

国際ニュースを観るとき、
「東南アジアかあ~。ベトナムもラオスもミャンマーもタイもカンボジアも大体同じぐらいのサイズで同じぐらいの人口!」とぼんやり考えていると、ちょっと見誤ることがあるかも、ということです。

海外の都市・都市圏別に人口を見てみよう

  • ニューヨーク 約820万人
  • サンフランシスコ 約850万人
  • ロサンゼルス 約380万人
  • ペキン 約2000万人
  • シャンハイ 約1400万人
  • ホンコン 約700万人
  • ソウル 約1000万人
  • ピョンヤン 約250万人
  • パリ都市圏 約1200万人
  • ロンドン都市圏 約1500万人
京浜=パリ=ロンドン…?

逆に、その国の発展と人口はそこまで関係ないのよ、
ということがわかる一覧になってしまいました。

パリ都市圏とロンドン都市圏の人口は、
日本でいうところの京浜地区と同じぐらいでしょうか。

人口についてのまとめ

なんだかとりとめのない話をしてしまいましたが、
私が申し上げたかったのは次の3点です。

  • (1) 広告は人口を見て打とう
  • (2) 1万人/1億2800万人という比率なのに名前が知られている村は凄いじゃないか
  • (3) 意外と九州人が多いと感じるのは本当に多いから

皆さんも、人口を調べてマーケティングに役立てましょう。

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代表・デザイナー
小川 知久
Tomohisa Ogawa
中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。
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デザイン事務所ヒサクリエ

無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。

アパレル系通販サイトの運営を勤めた後、広告代理店でウェブディレクションに携わる。ウェブや紙媒体を軸にした企画運営から、デザイン、コーディングに到るまでを一手に担う。

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