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その方法は非効率だ!ボイスレコーダーを使って記事を書く最高の方法とは?

2016/03/18 [Fri]

ボイスレコーダーの記事起こし術・その1
必ず2台で録音すべし

私は本職のWEBライターではないので年に数回しかやらないのですが、
ボイスレコーダーを使って記事を作ることがあります。

これは、文章やアンケート形式で回答をいただくより、
直接話してしまったほうが早いようなお客様のケースです。

愛用のボイスレコーダーにはMP3形式で保存されるのですが、
これとは別に、
スマートフォンの録音アプリも走らせておくようにしています。

理由は説明するまでもなく、録音ミスに備えるため。

たかがメインマシンをやられただけだ!

聞くところによると、よく政治家とかが乗っている「センチュリー」という高級車には、万が一部品が故障しても停まってしまわないよう、二重系統化処理が施されているといいます。
どんなに用心していても、事故は起こるもの。

滅多に東京に来ない重役の方へのインタビューであるとか、
言ってることが難しすぎてメモを見ても記憶さえ辿れない
といったケースに備え、
念のため2台のボイスレコーダーを使うというわけです。

余談ですが、私は心配性の準備魔なので、
以前はICレコーダー+カセットテープの組み合わせで
取材をしていたことがありました。

「ロートルマシンのほうが最新技術へのハッキング攻撃に強いのだ!」
などとアニメっぽい理由をうそぶいて。

しかし、取材中にたまたまこのテープレコーダーが寿命を迎えてしまい、
キュルキュルキュルキュルと異音を発し始め、あろう事か
この音をICレコーダーが拾うという事態に陥ったのでした。

策士策に溺れるというのはこういうことをいうのでしょう。

ボイスレコーダーの記事起こし術・その2
「えーと、そうですね」まで起こしてどうする

ボイスレコーダーから文章にまとめるコツのひとつは、
「えーと」とか「そうだなあ、なんていうんでしょう」といった、
曖昧な繋ぎ言葉まで書き起こさないことです。

そして、閑話休題の意味で何か一言挟むとしても、
「しかし」や「さておいて」というような、
常体(である調)の中に紛れ込んでいても、
あまり違和感のないジョイントパーツを使うほうが、
話者のイメージを崩さずに済みます。

雑用に使える手すきのスタッフがいれば、
「とりあえず全文起こしといて。あとで編集するから」
という乱暴なこともできますが、

そうは言っても、
ボイスレコーダーからのテープ起こしは時間が掛かりますから。

私は以前、お笑いトーク番組の起こしを趣味にしていたことがありました。

その話し方自体がタレント性を形作っているような芸人さんの場合、
こういった繋ぎの言葉も「味」となって楽しめるのですが、
社長さんや人事部長さんが言いよどんでしまっては、
読みにくいったらありゃしませんからね。

ボイスレコーダーの記事起こし術・その3
事前に「勝手に編集権」を取りつけておく

おおよその方は納得してくださるのですが、
難解または稚拙な言い方をよく使われる表現に変えたり、
専門用語を言い換えたりする許可を、
あらかじめ取りつけておきましょう。

たまにありますよね。
タレントさんが中小の会社を訪問するような番組で、
登場した一般の人が、明らかにその業界だけしか通じない略語を使っているのを耳にすることが。

業界用語というのは、
門外漢が耳にしただけでも「ンっ?」と思われる危険性がある。
きつい言葉でいうと「伝わるおもとる、あほやでこいつ」と思われてしまう
ということは意識しておきたいものです。

ボイスレコーダーの記事起こし術・その4
文章量のバランスが悪いときは振り分けてしまえ

あとは、インタビューが鼎談形式で進んだ場合、
ボイスレコーダーを前に社長さんが怒濤のように喋って、
専務・常務が「はい…」しか言わないようなケースにも役立ちます。

どういうことかというと、こういったケースの場合、
仕上がったものを見た社長さんは絶対こう言います。

「なんだ、俺しかしゃべってないじゃないの。2人にもセリフを分けてあげてよ」と。

インタビュー記事は、大抵インデント処理が施されますので、
セリフが「はい…」だけだと、余計に目立つわけです。

よっぽど悪質なウソには協力しませんが、
WEBディレクターはルポライターではありませんので、
クライアントさんに良いイメージがつくよう工夫をする必要があります。

——もとい、NGになることが明らかなら、
ある程度の小細工はしておくべき、ということですかね。

ボイスレコーダーの記事起こし術・その5
要旨だけを抜き出し、トピックスを立てる方法もある

お客様によっては、ボイスレコーダーを使っても、あまり「とりじろ」がない方もいらっしゃいます。

ひとつの話題について、
その時の状況・部下の反応・顧客の印象的な言葉・ご自身の心持ちなど、
多面的にお話してくださる方なら良いのですが、当然ながら
この方は社長さんであり講談師ではありませんので、
こちらで誘導する必要があります。

どうすればいいかというと、あらかじめ10ぐらいのトピックスを立てて、
それに幾つかの「返りの異なるミニ質問」を添えておくのです。

例を挙げますと、
「新製品の開発に成功した時は、どんな気持ち?」というお題目に、
「部下」・「家族」・「取引先」・「売上達成」・「次に備えたか」など、
いくつもミニ質問をぶら下げておくことで、良い答えを誘い出し、
肉厚な文章にすることができるというわけです。

文章量が足りない場合、質問Aに対して返ってきた答えを、
(文脈がおかしくならない場合に限り)質問Bの答えとして、
くっつけてしまう、という手もあります。

ボイスレコーダーの記事起こし術・その6
「逆を突く」という方法もあります

以前に採用ページを手掛けたお客様に使った方法ですが、
ボイスレコーダーを使ってインタビューをおこなった際、
ネガティブな発言ばかりしか出なかったことがあります。

「こういうタイプの人は困る」、
「こんな性格では勤まらない」、
「あれに文句を言われるとやりにくい」など、
求職者についていろいろ指定がつくのですが、

あまりに生々しいので「すいません、そのままは書けません」となり、
やむなく使ったのが、インタビューで真逆を言わせるという方法でした。

「責任者が牢名主のようにスタッフを使い、部署全体がセクト化している」
という不満に対し、後輩の声として
「私たちを教え導いてくれる先輩が欲しい!」と、
まるで兄をほしがる一人っ子のように筆を進める。

「書くに書けない内容」に対処し、
客観的にみて悪感情を抱かせないページにするためにも、
「勝手に編集権」は取りつけておいたほうがよいでしょうね。

ボイスレコーダーの記事起こし術・その7
最終的には自分でゼロから作り上げてしまう

クライアントさんの許可を取り、
過去のヒアリングやKPI設定を元に、
ゼロから口語調に書き上げていく。

煎じ詰めて言えば、これが一番有効であり、
WEBディレクターには大切な腹の据え方だと思います。

WEBディレクターには、
「そこはお前の領分じゃない」といえる箇所が本当に少ない。

頼りになるWEBライターを呼んでくる、
その人のブランディング力が不足していれば、自分で筆を入れる。
SEOの面で弱さを感じても上に同じ。

よって、クライアントさんから寄せられたテキストが弱くても、
インタビューした中身が詰まっていなくても、
「素材が悪い」とぼやくのはいけません。

WEBディレクターの、文字通り「立ち往生」

映画の世界では、よく見受けられますよね。

脚本への批判を。
ダイコンな役者さんへの批判を。
盛り上がりのない音楽への批判を…。

その矢をズバズバ一身に受けて、
「○○監督のあの作品はクソ!」と罵られている様を。
監督血だらけやないかっ! かわいそう!

しかし、WEBディレクターも同じ監督業のひとつですので、
「企画素敵! デザイン素敵! でも文章へっぽこ!」とならないよう、
細部まで意識を払っていきたいものです。

よろしければ、こちらの記事もぜひ。
【データが揃わないなら代筆するのがプロ】

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代表・デザイナー
小川 知久
Tomohisa Ogawa
中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。
  • ディレクション
  • コンサルティング
  • ウェブデザイン
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  • ライティング
  • イラスト
  • 運営・分析
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デザイン事務所ヒサクリエ

無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。

アパレル系通販サイトの運営を勤めた後、広告代理店でウェブディレクションに携わる。ウェブや紙媒体を軸にした企画運営から、デザイン、コーディングに到るまでを一手に担う。

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