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色だけでキャラクターが分かるのは優秀な配色だ!8つの例を見て・学び・作れ!

2016/06/27 [Mon]

皆さんは、配色についてどのぐらい考えてWEBデザインしていますか?

このあいだラジオを聴いていたら、ある番組で、
「リスナーからの楳図かずお先生の目撃情報が多い」
「実はみんな同じぐらい芸能人を見ているが、あの配色の服だから印象に残っているだけ」
といったことが語られていました。

実はこれって凄いことで、
有名人だけでなく、会社のコーポレートカラー、
マンガやアニメのキャラに至るまで、WEBデザインも含め、
いろんなものがこの理屈で配色の設定がされています。

その人に個性がないと色は死ぬ

しかし、ここで気を付けるべきは、
あまりにも汎用的な配色をしてしまうと、
あるいはその人や会社に強烈な個性がないと、
埋もれてしまうということ。

何のことはない、
楳図先生とケンタッキーの看板と日本の国旗は同じ配色であり、
白と赤というのは特段変わった組み合わせではないのですが、
先生の強烈な個性が、他とは異ならしめているわけです。

誰もあの方を「ウォーリーのコスプレ」とは見なさないのがその証左です。

つまり、楳図先生があんなに目立つのだから、
自分もWEBデザインなど赤と白を配色に採り入れよう、
というのは間違いというわけですね。

我ながら、無理筋を真面目な顔して言うのは骨が折れます。

国旗における「汎○○カラー」を学ぶと良い

例えば、ちょっと近くのショッピングモールに足を運び、
フロアガイドのテナントロゴ一覧を見てごらんなさい。
そう奇抜な配色のものには出くわさないはずです。

そして、どこかヨーロッパの国旗に似た配色である場合、
その国にちなんだ料理が出てくるか、
その国のインポートグッズを売っている可能性大です。
ジャマイカの国旗と同じ配色だったら間違いなくそうです。

いや、今回私が書きたいのはそういうことじゃなくて。

「これ以外考えられない」配色を探せ!

この世の中には明らかに、
「この色は絶対これしか考えられない」という配色が存在します。
そして、そこまで人々の思考を誘導するためには、
できれば三色は必要です。

私たちは、そんな配色を編み出さねばならないのです。

フランス、ドイツ、イタリアの国旗を見比べて、
「それでも我が民族には黒が必要だ」と決めた、
勇気あるドイツ人に倣わなければならないということです。
(……そうか?)

配色は国旗とスポーツチームの旗に学べ

配色に興味を持たれた方は、
まずは国旗の一覧表から目を通される
学ぶべきところが多いと思います。
イスラム諸国はこの色、アフリカ諸国はこの色、といった具合に。

それに飽き足らなくなったら、
次は【海外の野球やサッカーチームのロゴや旗を集めた本】を、
探してみるのも面白いでしょう。

配色だけでなく、エングレービングなどにも学ぶべきところが多い。
例えば「歴史的に見て、この国では貴族の師弟が始めたスポーツだからハデハデの旗だけど、別の国では工場経営の片手間で始めているので配色も地味」みたいなことがわかって楽しめます。

配色だけでわかる個人。いくつか例を挙げてみましょう

そんな、配色で連想されるあれこれ。
私の感じた強烈な個性をいくつか挙げてみますと——。

個性的な配色その1
エヴァ初号機

これ凄くないですか。
実は、この記事を書こうと思いついたのも、
今さらながらこの配色に衝撃を受けたからです。

この配色だからこそ、腕時計にしても、
リュックサックにしても、新幹線にしたって、
見る人に「あっ、エヴァだ」と気付いてもらえるわけです。

個性的な配色その2
セブンイレブン

凄いですよね、
一体なんでこの3色にしたのか。白抜きありきの配色です。

以前この配色のセブンイレブン限定ガンプラを買ったことがあるのですが
白がベースになっていて、この3色は見事に差し色として使っている。
絶妙なバランスの一言です。

余談ですが、本当は「白・黄色・赤・青=ガンダムが連想できる」
というのもやってみたかったのですが、
その組み合わせだとセーラームーンにもなるのでやめました。

個性的な配色その3
初音ミク

本当は2色でもよかったかも知れません。
タミヤカラーでいうところのコーラルブルーです。
今やこの配色だけでミクが連想できる時代になりました。

ちなみにピンクを黄色に変えると、今度はラムちゃんになるだっちゃ。

個性的な配色その4
金銀銅

これは配色と呼んでいいのかどうか。頭の体操です。この3色があるだけで、「3位まで決まるんだな」ということが即座に分かります。4色目に黒を入れた途端、会員特典とかクレジットカードの広告に使えるのも便利です。

個性的な配色その5
アップル製品

本当はグレイではなく銀色なのですが、これも一応。

私の場合、プロダクトの色について考えていると、
車のスタンダードカラーについて発想が行ってしまいます。
ファミリアは赤、デミオは緑、みたいなもので(何代目かにもよるが)

この色ではないアップル製品もたくさんあるのですが、
この組み合わせの配色を目にするとつい連想してしまうのは、
さすが世界のアップルといったところです。

個性的な配色その6
ハチ

「ヒトが蛇を怖がるのは、人間がネズミだったころ追いかけ回された記憶が本能として刷り込まれているから」と苫米地英人さんが言っていましたが、ハチもまた然り。

黄色と黒は恐怖の色。
私がスズメバチをあんなに怖がるのは、
きっと遠いご先祖様がいやになるほど刺されたのでしょう。
火の鳥(黎明編)で刺されていたのがうちの先祖かも知れません。

世の中、どんな危険なものでも警告表示はこの配色です。
たぶん「色でイメージできる」地球規模での王者はハチだと思います。

個性的な配色その7
読売巨人軍

この配色も凄い。

「黒にネオンピンク」とかはよく見かけますが、
強いて似ている配色のものを探すなら、
ポーターのタンカーバッグぐらいでしょうか(んなこたない)。

が、この配色だけは「タマゴよりニワトリのほうが先」かも知れません。
おそらく「この2色の組み合わせが有名になりすぎて関連企業かと思われる」というか、むしろ周りが避けていった結果、ジャイアンツだけ残った、というのが真相のような気がしてなりません。

個性的な配色その8
世界一有名なネズミ

これもスゴイ配色です。
停まっている黒い軽自動車の運転席を、チラと覗いて。
この配色の何かがバックミラーにぶらさがっていると、
「ム、あいつか…」とすぐにわかります。

ドイツ人にはどう見えるのかも気になりますね。

配色が思いつかなければ小道具を足せばいいじゃない

配色だけでオリジナリティが出せなければ、
「この追加パーツがあればアレを連想する」といったものを挙げて、
それに倣ってみるのもよいでしょう。

今は亡き萩原流さんのテンガロンハットでもお分かりいただける通り、
個性というのは見た目が大きく作用します。
ちなみにプレスリーとかテレサ・テンも同じ仲間です。

金色のヒョウタンがあれば秀吉ですし、「3」といえばミスター長嶋、
手塚治虫はベレー帽、横断歩道といえばビートルズ。
皆さんも、使える小道具は何でも使いましょう。

  • ハンガーがロゴになっていて、カテゴリーごとに違う服がひっかかるサイト

いいじゃない、いいじゃない!

  • 隠し要素だらけで、どこ押しても反応するから情報に辿り着けないサイト

いいじゃない、いい…のかな。

  • 押せない謎のボタンが大量に転がっているサイト

いいじゃない、いいじゃ……
いいか?

配色が思いつかなければゆるキャラを出せばいいじゃない

反対に、萌えキャラ・ゆるキャラは、
よっぽど個性を与えない限り非常に危険です。

会議で煮詰まるとつい口にしてしまいがちな両勢力ですが、
世の中にこれだけ増えると、
よっぽどのギミックと話題性がないと目立たない。

そういえば、むかし『火星物語』というメディアミックス型のゲームがあって、キャラクターデザインを担当した水玉螢之丞さん(故人)がしきりに「ヒロインの下着は黒」と書いて個性化していたのを思い出しました。

ゆるキャラなども何か強烈な、
観光課の人に「うーん…」と言わせる一工夫こそ、
めだつためには大切なのだと思います。

「オシャレ」という言葉に隠された罠

それから、特に紙媒体においては、
ちょっと繰ったようなオシャレロゴに走るのも注意しましょう。

「個性的」と「鼻につく」は紙一重でありまして、
家から代官山が近いような方はいざしらず、
私のような日本大衆党いかんべ支部側の人間にとっては、
逆効果になりかねません。

世の中には、痺れて憧れるオシャレと、
鼻につくオシャレの2通りがあるのだと思います。

配色の話からいささか飛躍しましたが、
たまにはこういう話もよいかなと思い、書いてみました。

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代表・デザイナー
小川 知久
Tomohisa Ogawa
中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。
  • ディレクション
  • コンサルティング
  • ウェブデザイン
  • コーディング
  • 企画
  • ライティング
  • イラスト
  • 運営・分析
  • 遊び心

デザイン事務所ヒサクリエ

無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。

アパレル系通販サイトの運営を勤めた後、広告代理店でウェブディレクションに携わる。ウェブや紙媒体を軸にした企画運営から、デザイン、コーディングに到るまでを一手に担う。

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