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【すぐに使える】コンセプトの決め方がわからない…結果を出すための発想術

2016/02/20 [Sat]

コンセプトを考える前に、そもそも「ホームページが何に使えるのか」から考えてみる

コンセプトのお話をする前に、前提としまして。

「ホームページは何に使えるのか」
というところから考えると、見えてくるものがあります。

誤解を恐れずに言いますと、
ホームページ制作の最も根底にあるのは「体裁」です。

初めて自社を知る新規客に対し、
最低限の信頼を与える事ができます。

新規客も、パートナー企業も、
融資を頼む銀行でさえ、ホームページは必ず見ます。
極論すると「その会社が本当に存在するのか」が疑われているのです。

注意したいのは、良いホームページであれば信頼を、
デザイン性や文章程度の高くないホームページであれば、
うさんくささを与える結果になってしまうということ。

かっこいいホームページがそれでも必要な理由

裏を返すと、実はまだ軌道に乗っていなかったり、
規模が小さい組織だとしても、
デザインによっては実物より良く見せることができます。

さすがに資本金の額やオフィス写真のウソはいけませんが、
色使いやアニメーション演出によって、
実体の不利を補うことさえできるのです。

ちなみに最も根底にあるのがこの「体裁」だとすると、
最も上層にあるのは「ビジネスをさらに拡げる」ということですね。

WEBディレクターとしては、つい上層の話ばかり、
「かっこいいページを作っただけではー云々」
という話をしてしまいがちですが、

まずは「体裁」を整えてから「ビジネスをさらに拡げる」というのが、
実はベストだと考えています。

コンセプトの考え方・はじめに
「ターゲット」と「ポリシー」の2つ合わせて「コンセプト」

私は、次に挙げる「ターゲット」と「ポリシー」の2つでコンセプト、と考えています。

「ターゲット」は変えやすく、「ポリシー」は変えがたい。

この2つを「コンセプト」として、
社内外に打ち出すことで、柔軟さと芯の強さの両面を、
ホームページ運営に活かすことができるのです。

言い方を変えれば、
「ターゲット」で時代を読み、
「ポリシー」で自社の強みをアピールする、
ということになりましょうか。

これは、2つなければ「コンセプト」になりません。

コンセプトの考え方・その1
ターゲット~だれがいつ、どこで、どのように使うかを想定する

さて、「ホームページが必要な理由」を納得いただいたら、
次は「だれがいつ、どこで、どのように使うか」へ進みます。
懐かしの「5W1H」というやつですね。

具体的に例を挙げますと、
以前担当させて頂いた居酒屋さんのページの場合。
【サラリーマンが、飲み会前、会社または駅前で、スマホ片手にお店を紹介する】
と想定しました。

これが決まっているといないでは大違いで、
「よしじゃあここで飲もう!」となった時、
すぐに地図が開ける位置にアクセスボタンを配置したり、
イチオシのメニューはここに、
他店と比較したアドバンテージはここに、といった具合に

いわゆる「ペルソナ」の設定は大切です

「だれがいつ、どこで、どのように使うか」
を元に使い勝手が決まっていくので、
作り進めていく上において、技術面の迷いがなくなります。

「このサラリーマンは○歳なので、文字はこのぐらい大きく」
といったように、いわゆるペルソナというやつですが、
絞り込めば絞り込むほど作りやすくなりますし、
効果も見込めるようになります。

ちなみに私の方針としては、あまりにギチギチにしてしまうと
「その目的以外に使いようのないサイト」となってしまい、例えば
「サラリーマンがメインターゲットだったが最近【女子○○】が熱い!」
という状況に即応できなくなってしまうので、ほどほどにしています。

(おそらく、この手のことを記した一般的な本では、
ギチギチにペルソナを設定するよう書いてあると思います)。

コンセプトの考え方・その2
次はポリシーを決める。ぶれさせないために、20文字程度の合言葉をつくる

5W1Hワードを定め、ターゲットが決まったら、
次に「ポリシー」を決めます。

よく「コンセプトは20文字以内でまとめろ」と言われます。

これはその通り有効なのですが、
これを決める結構大きな理由は、商品の企画意図を明確するのと同時に、
WEBのような「長期にわたって維持・成長させていくもの」の場合、
「社内で百家争鳴になっても曲げない信念を確立させる」
というのがあると思います。

「ポリシー」は抽象的では意味がない

よって、このポリシーについては、
【ぼくらの夢見る通販サイト~めぐりあい夏】
のように抽象的なものでなく、

詩的でなくても、ありきたりでも構わないので、
【お年寄りにも見やすく調べやすい通販サイト】
のように、スタッフごとになるべく解釈の余地の少ない、

「よいかっ! 我々の目指すサイトは【お年寄りにも見やすく調べやすい通販サイト】であるっ!」と演説に組み込み、スタッフの共通認識として、檄に使えるぐらいのものにすると良いと思います。

憲法が変えられたケース

これは、例えて言えばホームページの憲法です。

知人のWEBディレクターから聞いた話をさせて頂きますと、
あるところにガラパゴス的進化を遂げたECサイトがあり、
これを世間一般のかたちにリニューアルしたのですが、
半年も経たないうちに元の形に戻っていた、というケースがあります。

ふたたび憲法で例えるなら、次のような事態が起きたと考えられます。

  • 売上げが下がったので、憲法改正の道を選んだ
  • 社長命令などの非常事態宣言により、憲法が停止した

国家であれば、後者の圧力は大いにモメますが、
中小企業の場合、こんなのよくあることです。

強権発動を招かないよう、よく意見を出し合い、
丁寧にコンセプトを定めることで、
まちがいのないスタートが切れるようにしたいものです。

コンセプトの考え方・その3
ホームページ運営の「ポリシー」の作り方はどうすればいい?

長期にわたってスタッフ全員に浸透させ、場合によっては
他部署からの横車にも対抗していかねばならない主題ですから、
作るときは自社の現状に則した、正論そのものであるべきです。

しかも当たり障りのない正論ではだめで、
誰もが納得するが、貫くのは難しい、
しかし貫くことでお客様からは絶対に支持されるという、
それぐらいの正論でなければなりません。
できる限り代表者の方の臨席もお願いしたほうがよいでしょう。

ポジティブなキーワードを洗い出そう

次の点から導き出される、
ポジティブなキーワードをいくつか挙げていきましょう。

  • 今のお客様たちに好評いただいている点は何か?
  • 今のお客様たちが共通して持っている悩みはあるか?
  • 競合他社に勝っている点と負けている(強化したい)点は何か?

「親切」・「品揃え」・「アップスピード」・「筋肉もりもり」……。

およそ10個から20個ほど出して、
その中から「これを強化していけば天下が獲れる!」
という3つを抜き出し、20文字ほどでポリシーにしてみましょう。

先述のターゲットとポリシー、
このふたつを合わせて、「コンセプト」と考えていいと思います。

コンセプトの考え方・その4
さて、この2つを守るのが大変でして…

またもや憲法で例えるなら、
「ターゲット」は軟性憲法(容易に変えられる)、
「ポリシー」は硬性憲法(変えるのが難しい)と、
位置づけられるでしょう。

つまり、
「ターゲット」というのは、
ミーティングのひとつやふたつで変えてもよいと思いますが、
「ポリシー」には重みが要ります。

変えてよいもの・いけないもの

数年後、再度のリニューアルをする日が来たら、
前者は世相の変化によっていとも簡単に変わりますが、
後者の場合は企業理念にも似て
「そう簡単に変えてもらっては困る」のです。

そのためにも、言葉はポジティブで、正論そのものであるべきなのです。

クライアント側のWEB担当者さんと打ち合わせる際にも、
「コンセプトはこのサイトに懸ける御社内、そして我々の共通の想い、合い言葉です。絶対に守っていきましょう」と同意を得られるものを掲げましょう。

よろしければ、こちらの記事もぜひ。
【ECサイト責任者が心得ておきたい事】

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代表・デザイナー
小川 知久
Tomohisa Ogawa
中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。
  • ディレクション
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デザイン事務所ヒサクリエ

無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。

アパレル系通販サイトの運営を勤めた後、広告代理店でウェブディレクションに携わる。ウェブや紙媒体を軸にした企画運営から、デザイン、コーディングに到るまでを一手に担う。

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