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誰からも慕われてホレられるWEB担当者の作り方!別部門との戦闘必勝ガイド

2016/03/13 [Sun]

みんなで話し合ったことが正しいとは限らない

私は以前、五年ほどECサイトの責任者を務めていたことがあります。
今回は、そのときの経験を元にお話をさせて頂きたいと思います。

のっけから大きな話になりますが、
日本人には、「和の精神」というものがあります。

聖徳太子が十七条憲法の第一条で説いた「和を以て貴しと為す」には、
「みんなで相手を思いやって話し合えばうまくいくよ」
といった意味の言葉が続くのですが、私の好きな歴史作家の方は、
この条文には恐ろしい(?)裏の顔が隠されていると言っています。

すなわち、
「たとえ間違っていてもみんなで話し合ったのだから正しい!」
となりやすい、ということ。

そして、一神教の文化圏のように
「神の教えに照らして正しいか否か」というリミッターが
存在しない日本では、危険な手段や反倫理的な手段も、
話し合った末の結論としてまかり通る恐れがある、ということ。

ここに日本人のコミュニティに発生しやすいとされる
「同調圧力にも等しい空気」が加わり、
「とてもじゃないけど言い出せない…」というムードが
醸成されるというのです。

懐かしのKYというやつですね。

ECサイトのスタッフをまとめていくために・その1
ミーティングはメンツをよく考えて決めよう

監督者はとかく、
忙しい時には「君らで話し合って決めて!」と言ってしまいがちです。
私もよく言いましたし、上司からもよく言われました。

が、これも相手を見て言わないといけませんよ、ということ。

「デザイナーというより芸術家志望」
というようなスタッフに会議の主導権を与えると、
オシャレなだけのおかしなUIが出現しますし、

「とにかくクレームを減らすことしか考えていないスタッフ」
に主導権を与えると、ページの上から下までビッシリ注意文を書くような
トンデモ改善案が出現します。

ECサイトを運営するにあたって、
顧客目線の客観的視野が育っていないスタッフに
主導権を与えるほど危険なことはないわけで、
「話し合って決めて!」は実はものすごく恐い。

良い意見は誰が独裁的に決めたとしても良い意見ですが、
申し訳ない話、おばか意見はどう読み替えてもおばか意見なわけです。

ECサイトに限らず、
もしあなたがそんな不愉快な会議に出席してしまったとき、
日本人にはこういう性質があると知っておけば、
幾分かの慰めになるかも知れません。

ECサイトのスタッフをまとめていくために・その2
WEB以外の別部門とうまくやっていくために

私が指揮していた職場では、
わりと店頭販売部門とECサイト部門がフラットで、
商材の魅力を説明するための知識や、お客様の生の声が聞けるなど、
現場とは良い関係を築いていました。

現代的かつ大規模なECサイトでは、
発送部門やコールセンターを外注していたりして、
あまり現場と接触することはないのですが、
時として現場スタッフの意見が、
とんでもない閃きを与えてくれることがあります。

どこまで外部意見を採り入れ、どこからを専門家の領域とするか

しかし、何事にも一長一短というものがあります。

別部門の意見があまりにもECサイト部門に伸張してしまうと、
ECサイト部門は独自の行動がとれなくなり、
時として頓珍漢なUI改善を要求されたり、
商品のアッブロードに関する無理なフローを飲まされそうになったり、
困ったことが続発するのもまた事実です。
若かったもので、私もよくケンカをしました。

我々が現場を知らないように、
現場もECサイトを専門的に知りません。

このような関係は、ECサイトでなくても、
わりとどこの会社にもあるのではないでしょうか。
「広報と制作」、「営業と制作」、「経理と制作」など、
お近くの部署に読み替えて頂いて結構です。

完全セクション化されていないメリットを活かし、
デメリットを減らすため、そして、
「なぜECサイト部門は私たちの意見を無視するのだ!」
という無用の乱を起こさないようにも、

  • あなた方の意見や現場に寄せられるお客様の声はこれからも欲しいと伝えておくこと
  • 提案は真摯に聞くが、承認された方針に反する場合、実行されない可能性もあること
  • 並列する部署のもう一ステージ上の責任者に、調停を頼める関係を築いておくこと

など、WEBディレクター(ECサイト責任者)として、
スタッフを守る手立ても講じておきましょう。

一言でいうと「うまく立ち回る方法」といったあたりになりましょうかね。

ECサイトのスタッフをまとめていくために・その3
WEBと上層部を直結させよ

中小規模のWEBディレクター(ECサイトの部門長)は、
社長との間に太いパイプを持つことが大切です。

自分たちセクションが、一体どのようなルートを辿って、
目標を達成するかを会社全体に対してハッキリさせることにより、
部門の立場を強固にでき、良い仕事ができるようになります。

また、上層部の協力が得られれば、
ECサイト部門から他部門にスポットで助っ人をもらったり、
逆に助っ人を送ったりと、会社全体の利益にも繋がります。

採用強化への好循環

かくて、WEBスタッフがWEB以外でも役立つとなれば、
採用にも力が入り、スタッフが増えていけば、
妙なスキルを持ったスタッフも現れます。好循環ですね。

マシントラブルに強い奴、アクのない絵が描ける奴、
異様にガーリーなデザインができる奴、
新しいガジェットに必ず飛びつく奴など、
他部門と友好的な関係を築く上で役立つ戦力は、
積極的に協力させ、時に協力を得ていきましょう。

ECサイトの責任者というのは、
WEBディレクターのお客様に対するコンサル目線、
制作スタッフに対する監督者目線とはまたタイプの異なる
リーダーとしての目線を持たざるを得ません。

スタッフを守りつつ、
ECサイト部門がセクト化して他部門から煙たがられないよう、
常に注意を払いながら、
会社に利益をもたらす最適解を探すという、
繊細な気配りが要求されるわけですね。

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代表・デザイナー
小川 知久
Tomohisa Ogawa
中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。
  • ディレクション
  • コンサルティング
  • ウェブデザイン
  • コーディング
  • 企画
  • ライティング
  • イラスト
  • 運営・分析
  • 遊び心

デザイン事務所ヒサクリエ

無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。

アパレル系通販サイトの運営を勤めた後、広告代理店でウェブディレクションに携わる。ウェブや紙媒体を軸にした企画運営から、デザイン、コーディングに到るまでを一手に担う。

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