【例文あり】 よくあるご質問に何を書けばいいのか分からないときはこれを使え!
2016/05/02 [Mon]
- 1 人は何に対して不安を感じるのか。よくあるご質問を開きたくなるその瞬間
- 2 定番のよくあるご質問(FAQ)その1システム関連「私には扱いこなせんというのか!」系の例文
- 3 定番のよくあるご質問(FAQ)その2フロー関連「私を導いてくれ…」系の例文
- 4 定番のよくあるご質問(FAQ)その3オカネ関連「まずはこっちの話から聞こうじゃないか」系の例文
- 5 定番のよくあるご質問(FAQ)その4比較検討関連「さあ、君ならどっちを選ぶね?」系の例文
- 6 定番のよくあるご質問(FAQ)その5かかる時間関連「私には時間がないのだ!」系の例文
- 7 定番のよくあるご質問(FAQ)その6許可とNG関連「私には許されているのか…?」系の例文
- 8 定番のよくあるご質問(FAQ)その7大きな話関連「誰もこんなところ読むまい…が」系の例文
- 9 ここに辿り着いた時点でユーザーはちょっとイライラしている
今回は、よくあるご質問(FAQ)にまつわる「ゆるネタ」です。
軽くアレンジするだけで、
たぶん全ての業種で使える「定番の問答」を30ほどご紹介します。
他社さんのブログで、
より精緻な業種別の問答集が公開されていたりしますが、
おんなじことやっても仕方がないので、
今回は「よくあるご質問(FAQ)汎用版」を作ってみました。
私流のちょっとしたくすぐりも紛れ込ませてあるので、
コピペされる際はご注意ください。
人は何に対して不安を感じるのか。よくあるご質問を開きたくなるその瞬間
いろんな業種のいろんなサイトの
「よくあるご質問(FAQ)」を見て廻って感じたのは、
要は、人間というもの【カネ・時間・話が通ったか】に対し、
最も不安になるということでしょうか。
皆さんも、執筆した問答集が【カネ・時間・話が通ったか】を、
解決しているものになっていない場合は、
見直してみる余地がありそうです。
定番のよくあるご質問(FAQ)その1
システム関連「私には扱いこなせんというのか!」系の例文
Q【パソコン利用環境についての質問】
A:定番の質問です。
対応OSや推奨ブラウザ、スマホ対応の有無について解答してください。
また、同時ログイン可能人数や、
セキュリティ施策について解答がある例もありました。
Q【ログイン方法がわからないという質問】
A:これも定番。手順について、
いくつかのステップに分けて説明していました。
ご年配の方向けに、
画面のキャプチャとピクトグラム入りの丁寧な説明が望ましいでしょう。
Q【パスワードを忘れたという質問】
A:パスワードの確認方法や再発行の手順について、
いくつかのステップに分けて説明していました。
が、ログインフォームの下に「パスワードを忘れた場合」の
リンクがついているケースがほとんどなので、
ここに書く内容は簡単でもいいかも知れません。
これも定番の問答ですね。
Q【エラーが出る場合の質問】
A:エラーについて、よく受けるお問い合せと解消法を答えてください。
「一時的にセキュリティレベルを下げてアクセスを」といったものから
「メールアドレスは本当に合っていますか?」であったり、
まるで「コンセントはきちんと差し込まれていますか?」のような、
家電の説明書で見かけて「な、なめられている…」と感じてしまうレベルのものまで、様々です。
Q【名義変更・住所変更の質問】
A:登録情報の変更手順について、
いくつかのステップに分けて説明していました。
きちんと変更をしていないと、どのようなことに巻き込まれるか
(商品が届かなかったり、権利が失効したり)
も書いておくとよいでしょう。
「この変更作業をきちんとやっておかないと結局どうなるのか」
と伝えるためです。
Q【受け付けられたか不安だという質問】
A:「完了メールが届かないのですが」のような、
いわゆる「ドメイン指定」問題について解答してください。
これも定番です。
また、「○日待っても返事がこない場合は再送信するか電話してね」
といった記載があるとより親切でしょう。
余談ですが、昔いじくっていたシステムで
「ドットが3つ入るアドレスがDBに入ったとき」…あ、この話はまたあとで。
Q【確認方法の質問】
A:「申込みが完了したかどうかを確認したいのですが」という質問。
チケットの発行があるようなものや、人気商品の予約に関するものは、
確認ができないと特に不安になるものです。
売り手は、このあたりのお客様の心の動きを
おろそかに考えてはいけません。
マイページのようなものがある場合は、
ステップに分けて解答するとよいでしょう。
●STEP1. こちらをクリックし、暗証番号を入力してください。
●STEP2. エキスパンダ端子にコントローラーを接続し、マイクに「ハドソン!」と叫んでください。
●STEP3. SMSにて登録情報をお伝えします。
定番のよくあるご質問(FAQ)その2
フロー関連「私を導いてくれ…」系の例文
Q【お申し込み手順の質問】
A:「申込みの手順を教えてください」という質問。
いくつかのステップに分けて、
順を追って説明しているものも多いですね。
これも、ご年配の方向けに、画面キャプチャまたは
ピクトグラムのようなものを用いるのが分かりよいでしょう。
Q【解約・キャンセルの質問】
A:「解約・キャンセルはどのようにすればいいですか?」という、
いわゆる「もしかして検索」で一番上に来ているような質問です。
運営側にとっては定番にしたくない定番です。
そういえば以前、某衛星放送と某大手プロバイダーのユーザーページで、
「質問の多い内容」ダントツナンバーワンになっているのを見かけ、
切なくなったことがあります。
余談ですが、同様に切なくなる「もしかして検索」に「女優名 カップ」と「芸人の名前 逮捕」が挙げられます。…みんなそんなに気になるのかカップ。どこからどう見てもFはないだろ、という場合でも気になるのかカップ。
定番のよくあるご質問(FAQ)その3
オカネ関連「まずはこっちの話から聞こうじゃないか」系の例文
Q【支払日の質問】
A:「料金が確定するのはいつですか?」といったような質問。
引き落としの関係もあるので、
「この日までは今月払い、以降は翌月払い」と、
図解を入れてわかりやすく説明しましょう。
これも、おろそかに考えてはいけません。
ギリギリでやっている家庭だってあるのです。
また、引き落としができなかった際は一体どんなことになってしまうのか、
どんな収容施設に送られるのかも詳しく書いておきましょう。
Q【有効期限の質問】
A:「ポイントが失効するのはいつですか?」といった
有効期限についても、図解があるとよいでしょう。定番ですね。
コツコツ貯めたぶんだけ、それが失効したときの愛しさと切なさと
「聞かされていなかったッ!」という怒りは大きくなります。
純然たる正比例の関係です。
Q【支払額の計算の質問】
A:お支払いについて、ややこしい計算式があったり、
特例・特約が多いケースは、あらかじめ書いておきましょう。
たまに「このチェーン店をオトクに使う裏技!」のようなものが
NEVERでまとめられていたりしますが、嬉しい情報の反面、
「…大手でそんな抜け道あったらあかんやろ」とも思ってしまうのです。
Q【持参品の質問】
A:「会場には何を持って行けばいいですか?」に対しての、「身分証明書と筆記用具、おなかがすきがちな方は、お弁当をご持参ください」のような解答です。
大切なのは、役所で発行されるような、
公的書類を持参してほしいケース。
免許証は財布やカバンに入っていますが、
なかなか戸籍抄本を持ち歩いている人はいないものです。
Q【役所提出物の質問】
A:とにかく役所は提出する書類が多い。
引っ越しをするときも、車を廃車にした時も、この事務所を届け出た時も「君達は紙が主食なのか」というぐらい、やたらめったら漢字七文字ぐらいの見出しのついたややこしい書類を書かされます。
書類の申請に、お客様が
もう一日休みをとらなければならないケースも
考えられますので、あらかじめ記しておきましょう。
Q【上限下限はあるかの質問】
A:「○○円未満のお買い物では送料はタダになりません」や
「福袋はお一人様5つまでです」のような、なにかこう
「誰しもこれ系で注意されて恥ずかしかった記憶があるな…」
という質問です。
テンバイヤーのような動機でなくても、
意外と「○個いっぺんに買って近所にお配りしようかしら」と、
素朴に考えているお客様は多いものです。
Q【特別値引きはあるかの質問】
A:人間、想像していないラッキーによって利益を得ると嬉しくなるのは当然ですが、購入後にその値引きサービスの存在を知ると、かえって損をしたような、怒りにも似た感情がわき出るものです。
Q&Aに追加すると共に、
商品紹介のページやカートのページにも一筆あってよいかも知れません。
定番のよくあるご質問(FAQ)その4
比較検討関連「さあ、君ならどっちを選ぶね?」系の例文
Q【よく似たふたつの違いの質問】
A:いわゆる「4人の水野と酒井」問題です。
Amazonなどでもよく見かけますが、
同じ型番なのにカラーによって価格が違うなど、
AとBのサービスは「一体何が違うんだ!」というケースがあったら、
理にかなった解説が必要でしょう。
Q【上位互換サービスの質問】
A:「通常の食べ放題とプレミアム食べ放題は何が違いますか?」など。
「スペシャル食べ放題は、通常の食べ放題(めざし・きゅうり)に加え、コマツナ・カイワレダイコン・ハツカダイコンがお召し上がり頂けます」といった具合に、オカネを足すとどうなるのかについても解説が必要です。
Q【オトクな選び方の質問】
A:「ハンバーガーとポテトをご注文いただき、一度キャンセルの後【いま何どきだい?】とご質問を頂いてからチキンナゲットを単品でご注文いただくと、よりお安いお値段でご利用いただけます」など、企業側の利益を削ってでもユーザーにトクをさせようとしてくれる会社は、深い信頼が得られます。
定番のよくあるご質問(FAQ)その5
かかる時間関連「私には時間がないのだ!」系の例文
Q【リアルタイムで困ってる質問】
A:「今ここにある危機」です。
これは定番の問答。どこのサイトでもよく見かけます。
このFAQページではなく、血の通った人間のサポートを受けるためには、
どこにメールをすればいいのか、どの時間帯に電話をすればいいのかを、
ユーザーさんの最後の駆け込み寺として、書き示しておきましょう。
せめて建前としてでも「お客様とは直接お話をして、疑問を解消したい。しかし叶わないので、ここにまとめページを作りました」という姿勢を持っておきたいものです。
Q【幾日ぐらいで完結できるかの質問】
A:「申込みから到着まで何日ぐらいかかりますか?」という、
これもまた定番の質問。
Amazonでも楽天でもないネットショップで買い物をしたときや、
海外発送なんてのが絡むようなとき、皆さんも知りたくなりませんか。
発送は即日なのか、営業日通算なのか、日曜に欲しいのだが届くのか、
等々。
Q【繰り返しを時短したい質問】
A:「まとめて申し込むことはできますか?」など法人向けの質問です。
法人契約にメリットがあるときも、残念ながら特別扱いがないときも、
必要に応じて書いておきましょう。
「まとめて申し込めるか」という言葉の裏には、
「安くならんか・手続きの時短できんか・いっぱい頼むのだからごひいきしてね」という切なる願いが隠されています。
定番のよくあるご質問(FAQ)その6
許可とNG関連「私には許されているのか…?」系の例文
Q【サポート施設の質問】
A:「駐車場・喫煙室・キッズスペースはありますか?」といった、
施設の利便性に関する質問。
バリアフリー、車イスや盲導犬に関する設備といった、
マイノリティの方々やそのご家族への配慮も、
アクセスマップへの記載と併せておこなっておくと良いでしょう。
我らウェブ屋たるもの、
マイノリティの方々にまつわる社会問題にも
意識を払わなくてはなりません。
身障者への親身ならざる企業の対応が
厳しい社会的制裁に到るのが欧米では常識であり、
日本にも「明日は我が身」という良い言葉があるのですから、
キーボードひとつでこれらの方々の力になれるウェブ屋というのは、
積極的に公の役に立てるとても良い位置にいるのかも知れません。
Q【お助けアイテムは使えるかの質問】
A:クレジットカードやクオカード、クーポン券など、
お支払いが便利になる「お助けアイテム」が、
使えるのかどうかについての記載です。これも定番。
特に飲食系は必須です。
例えば、社長さんがスタッフを連れて宴会を開き、総額10万円になり、カードが使えるか、と思ったら使えなくて…。参加者全員から緊急徴収が始まったりなんかして…。
これほど恥をかかせてしまうシチュエーションはありませんからね。
Q【持ち込みのこれは使えるかの質問】
A:冠婚葬祭にまつわる施設やレンタルオフィス、
および浦安の夢の国での定番問答です。
これは2つの理由から必要です。
まず、プロジェクターの貸し出しなど、「持ち込みをしたいのはやまやまだが重さ的に難しいので施設で貸し出してくれると嬉しい」という要望に対して、「持ち込みはできます。でも、プロジェクターはありまぁす!」というかたちで、ユーザーにオプションを勧めたいという理由。
もうひとつは、施設のイメージを保つためにも「それは持ち込んでもらっては困る。中世ヨーロッパの古城を模した荘厳な式場でドンキで買った猪木のマスクはねえだろ」という、性悪説に立った理由です。
Q【NG行為の質問】
A:プールでの飛び込みや、駆け込み乗車など、
「運営側がやってほしくない、他のお客様に迷惑となる行為」
をサラリと注意します。
ここで大切なのは、道徳・倫理など、人の心に対して説かないこと。
「他のお客様や近隣の住民への迷惑になるので」で充分です。
私が以前見た「よくあるご質問ページ」の中に「山の神を嘗めないように、厚着をしてください」といったものがありましたが、あの時はさすがにビミョーな気分になったものです。なぜなら、山の神が本当に居るか居ないかは、私の心が決めるべき事柄であり、山での服装に気を付けるなどというのは、山岳救助隊の世話になるのか、現実に他人を巻き込むのか、という、神仏とは一切かかわりのない事柄であるからです。
Q【サービスは地方まで来るのかの質問】
A:東京の商圏をざっと見ただけでも約3500万の人口があり、日本の中心であることを考えると、つい地方のユーザー向けの情報をないがしろにしてしまいがちですが、京阪神地区には約2000万、中京地区でも約1000万の人口があり、これでもようやく1億2500万の半分。残りはみんな地方に住んでいます。
東京で便利なサービスが生まれたら、
地方への配慮も忘れずにいたいものですね
(私たちヒサクリエのように「規模的に地方出張はムリ…」という例もありますが)。
定番のよくあるご質問(FAQ)その7
大きな話関連「誰もこんなところ読むまい…が」系の例文
Q【そもそも○○って何?の質問】
A:固有名詞の説明です。
「STRバイオリレーション高圧循環って何ですか?」のような、
あんまりヨソでは聞かない固有名詞が多用されるサイトでは、
ぜひ説明をしておきましょう。
大切なのは、
「このページにアクセスするぐらいの人なら分かっている」という
甘えを出さないこと。
これは、前職(アパレル)でよく経験しました。
「服好きなら必ず知っている用語」と「アウトドア系のブランドが独自開発した新素材」みたいなのを混同して、結局肝心なところだけ全く意味がわからない問答にならないよう注意すべきです。
Q【書くことないから書くんじゃあの質問】
A:「ロゴマークの意味は?」や「○○社が地球環境のためにおこなっている取り組みを教えてください」のような、「果たして本当によくある質問なのか?」というQ&Aは、よっぽどスペースが余ったら書いてもいいかも知れません。
いや、私も地球環境への取り組みは大切だとは思うのですが、
「メーカー取り寄せになった場合に追加となる日数と引き落としがどのタイミングになるか」というリアルな話が知りたいのに、「当社のロゴは両手を天に掲げた希望あふれる様子を表しており…」とか書かれていると、真剣にイライラするんですよね。
ここに辿り着いた時点でユーザーはちょっとイライラしている
そもそも、「よくあるご質問」のページにアクセスしてきている時点で、
お客様は「わからないことがある=ちょっとイライラしている」
ということを忘れないようにしましょう。
言葉を選び、達意でシンプルに。
「…余計に混乱するわっ!」とお客様の気持ちを逆撫でしないよう、
細心の注意を払うのをどうか忘れないように。
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小川 知久
Tomohisa Ogawa - 中目黒の広告代理店でウェブディレクターを勤める現役のウェブデザイナー。5年にわたりアパレル系通販サイトの部門長を勤め、ビジネスの視点からデザインに携わった後、ウェブを通じた人材採用について、デザインとライティングの両面からトータルコンサルティング。上流から下流まで貫通して携わります。
無期休業中につき、現在お仕事は承っておりません。- ディレクション
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